第68回世界保健総会に参加して

【What is World Health Assembly?】
みなさんは世界保健機構(WHO)が年に一度スイス・ジュネーブで総会を開いているのをご存知でしょうか?
世界保健総会とはWHOの全194の加盟国代表で構成されるWHOの最高意思決定機関であり、国際保健医療に係わる重要な政策決定や事業計画等が行われます。
日本からは主に厚生労働省の方々が出席されていますが、今回その会議に国際薬学生連盟(International Pharmaceutical Students’ Federation)の学生代表として参加させて頂きました。このような貴重な機会を頂けたのは、日本薬学生連盟が所属する国際薬学生連盟がWHOと正式なパートナシップを提携しており、総会へのオブザーバーとしての参加が認められているためです。今年度はアメリカ、ブラジル、フランス、ルワンダ、日本など世界19か国から合計31名の薬学生の参加があり、さまざまなバックグラウ
ンドを持った海外の薬学生達と共に有意義な時間を過ごすことができました。

国際薬学生連盟の詳細は、こちらをご覧ください。
http://www.ipsf.org/

【68th World Health Assembly’s topics】
第68回目となる今年の世界保健総会は2015年5月18日(月)~5月26日(火)の7日間の会議日程で行われました。昨年度西アフリカで流行したエボラ出血熱をはじめ、HIV/AIDS、マラリアなどの感染症、薬剤耐性菌、グローバルワクチン計画などが重要なトピックとして議論にあげられていました。また、ゲストスピーカとしてドイツのメルケル首相が招かれ、ギリシャ問題や地球温暖化対策とともに感染症対策もG7の主要な課題として取り組んでいきたいと話されていました。

68th World Health Assembly の会議内容詳細についてはこちらをご覧ください。
http://www.who.int/mediacentre/events/governance/wha/en/

【HIV/AIDS】
みなさんは現在世界にどれくらいHIV/AIDSに感染している人がいるのか、毎日どれくらいの人が新たに感染しているのかをご存知でしょうか?
WHOの発表によると、2013年現在毎日6000人ずつ新たな感染者が増えており、その中でも約33%が15歳から23歳の若者です。今回の総会ではHIVに母子感染したケニア出身の23歳の女性がアフリカのすべての若者を代表してスピーチをされました。そのスピーチの中で彼女が述べていた「自分と同じようにHIVに感染している友達がどんどんエイズを発症して亡くなっていくのを目の当たりにして、明日には自分が発症してしまうのではないかと日々怯えながらも毎日学校に通い、勉強を続けている。」という言葉が今でも頭の中に残っています。日本にいるとHIVの感染者の増大をそれほど身近に感じたことはありませんでしたが、世界的にはやはりエイズの患者は刻一刻と増加しており、徹底した感染防御が必要だけでなく、抗HIV薬の開発も切実に望まれているのだと強く感じました。

【Thinking about Global Health 】
この総会を通じて最も感じたこと、それはPublic Health(公衆衛生)の重要性です。日本を含めた先進国では、衛生的な飲み水が供給されることや必要なワクチンが受けられることなどは当然のように捉えられていますが、世界の多くの発展途上国ではいまだにそれが保証されていない現状があります。この現状に対する取り組みとして、すべての人々が基本的な保健サービスを適切な価格で受けることができるユニバーサル・ヘルスカバレッジの推進を、日本の厚生労働省も「保健医療2035」の取り組みの一つとして重要視しています。日本は医療先進国であるので、その技術や知識をこれからの国際保健にどう生かしていくことができるのか、そのために私たちは何ができるのかなどを考えながら、グローバルな視点を持って医療に係わる姿勢持つことも大事なのではないでしょうか。

保健医療2035の詳細についてはこちらをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035/

以上長くなりましたが、このコラムがみなさまにとって少しでもお役に立てれば幸いに思います。
ありがとうございました。

京都薬科大学5年 茅 薇蕾

第68回世界保健総会 報告書