World Antibiotic Awareness Week


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11月16日から22日は、World Antibiotic Awareness Week(世界抗菌薬啓発週間)です。

【世界抗菌薬啓発週間とは?】
世界に広がる薬剤耐性菌についての多くの人に知ってもらい、薬剤耐性菌を阻止するための取り組みを促進することを目的に開催されるものです。
この啓発週間は、ヨーロッパで2008年より11月18日に行われている”European Antibiotic Awareness Day“や、同じく2008年よりアメリカで行われている”Get Smart About Antibiotics Week“がもとになっています。このように地域レベルでは行われてきた抗菌薬啓発活動ですが、WHOが主体となり世界レベルで行うのは今年が初めてです。

日本においては、上記のような啓発運動は行われてきておりませんが、耐性菌問題を深刻に受け止めており、2015年2月2日に厚生労働省は「薬剤耐性菌対策に関する提言」を発表しました。
また、今年は国際感染症センター(DCC)が抗菌薬啓発活動が計画・実施されるよう情報提供・啓発用ポスターの作成を行っています。
今年の世界抗菌薬啓発週間のテーマは”Antibiotics: handle with care(抗菌薬=取扱注意)”です。便利ですが、使いすぎると将来的に使えなくなるかもしれない抗菌薬。まさに、諸刃の剣ですよね。「クスリはリスク」と言われるように、抗菌薬を含め様々な薬は多少なりともリスクを伴うものであることを改めて考えさせられる、そんなきっかけとなるのではないでしょうか。

抗菌薬使用の現状について】
ご存知の通り抗菌薬は人間の、そして動物の感染症の予防、治療へと幅広く使われています。
薬物治療に有用な抗菌薬ですが、時に耐性を獲得します。これは自然に発生する現象ではありますが、抗菌薬の誤使用や過剰な服用といった不適切な使用によって助長されています。耐性を獲得した菌の出現により、従来の薬が感染症の原因菌に対して効かないことで耐性菌感染による死者が増えたり、使用できる薬剤が限られることによる医療費の増大を招いたりしています。
つまり、耐性菌の拡大によって治せるはずだった病気が治せなくなりつつあるのです。
薬剤耐性菌が生まれる一因として、抗菌薬の不適切な使用が挙げられます。つまり、薬剤耐性菌を広めないためには、医療従事者と、抗菌薬を実際に使う患者さんとが一丸となって取り組む必要があるのです。

【薬剤耐性菌について】
拡大の一途を辿る薬剤耐性菌には、どのようなものがあるのでしょうか。
WHOは2014年4月に“Antimicrobial Resistance: Global Report on Surveillance”を発表しました。
耐性菌は様々な種類の菌において出現しています。その中で、この報告書では大腸菌、肺炎桿菌、黄色ブドウ球菌、肺炎レンサ球菌、非チフス性サルモネラ菌、赤痢菌、淋菌といった7種類の一般細菌に焦点を当てて書かれています。中でも大腸菌、肺炎桿菌、黄色ブドウ球菌は6つあるWHOの地域区分のなかで、50%以上耐性を持つ地域が5地域以上であり、耐性菌は広まっているのだと改めて感じさせられる結果となっています。

【私たちにできることとは?】
では、薬剤耐性菌を広めないために私たちはどのようなことができるのでしょうか。
・手洗いうがいをする
・食品衛生に気を付ける
・風邪をひいた人に不用意に接触しない
・予防接種をして、抗体をつける
・期限切れの薬を使ったり、処方薬を他人に譲渡したりしない
誰でも出来ることとして、このようなものが挙げられます。
耐性菌の拡大は脅威です。出来ることから着実に取り組みたいものですね。

国際渉外部 高木杏菜