世界エイズデーに寄せて

12月1日は世界レベルでのAIDSのまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を目的にWHO(世界保健機関)が1998年に定めた世界エイズデーです。毎年世界各国でAIDSに関する啓発活動が行われています。

【AIDSとは】
そもそもAIDSとは”HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することで生じる後天性免疫不全症候群のこと”であり、HIVが免疫細胞を破壊することで免疫力が落ちてしまい、結果として悪性腫瘍や日和見感染などの様々な合併症を引き起こしてしまう病気の事です。

一昔前までは感染してしまうと死んでしまうと思われていた病気ですが、現在では薬の進歩によって早期発見・早期治療を行えば健康な方と変わることなく生活が送れるほどまでに治療法が確立しました。

【感染経路】
感染経路は大きく分けて3つ存在します。

性行為による感染
 HIVは主に精液、膣分泌液に多く含まれており、現在最も多い経路となっております。ですが性行為時にコンドームを使用することで感染率を大幅に下げることも可能ですし、感染者との性行為も抗HIV薬の適正使用によっても感染率を下げることが可能です。

血液を介しての感染
 これはかつて使用した血液製剤の中にHIVが混入しており、結果感染者が出てしまう事件がありました。ですが現在の日本の血液製剤は厳重な検査により最高水準の安全が確保されており、感染の可能性はかなり低くなっております。

母子感染
 母親から子供に感染することもありますが、これも治療薬の服用や母乳育児を避けることで感染を1%以下に抑えることができます。

 

【レッドリボン】
  “レッドリボン(赤いリボン)”は、もともとヨーロッパに古くから伝承される風習のひとつで、病気や事故で人生を全うできなかった人々への追悼の気持ちを表すものでした。

この“レッドリボン”がエイズのために使われ始めたのは、アメリカでエイズが社会的な問題となってきた1980年代の終わりごろでした。このころ、演劇や音楽などで活動するニューヨークのアーティスト達にもエイズがひろがり、エイズに倒れて死亡するアーティスト達が増えていきました。そうした仲間達に対する追悼の気持ちとエイズに苦しむ人々への理解と支援の意思を示すため、“赤いリボン”をシンボルにした運動が始まりました。

この運動は、その考えに共感した人々によって国境を越えた世界的な運動として発展し、UNAIDS(国連合同エイズ計画)のシンボルマークにも採用されています。レッドリボンは、あなたがエイズに関して偏見をもっていない、エイズとともに生きる人々を差別しないというメッセージです。

このレッドリボンの意味を知り、レッドリボンを身につけることによって、エイズをみんなで考えましょう。

 

参考
厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eizu/

日本内科学会雑誌 第102巻 第12号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/102/12/102_3244/_pdf

出版社:南山堂 薬物療法学 第6版