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第一回IMTでは、ボランティア活動として医療や衛生環境が十分に行き届いているとは言えないカンボジア現地の子供たちに、薬の正しい服用方法に関する教育活動をしました。また、現地で働く薬剤師の方から途上国医療に関するお話を直接伺い、カンボジアの医療の現状を直接知る機会も設けました。
さらに、日本の政府開発援助(ODA)を行う実施機関として、開発途上国への国際協力を行う国際協力機構(JICA)の活動視察も行いました。

【参加者の感想】

『一日目午後、薬剤師を招いての夕食会+二日目午後、ローカル薬局視察』

 カンボジアに到着してからすぐ皆で綺麗なカンボジアの夜景が綺麗なカンボジアの夜景が見えるカンボジア料理のレストランに向かいました。そこで、日本人の薬剤師でカンボジアで活躍されている先生とお食事をご一緒させていただきました。その先生は、カンボジアで何かビジネスがしたい!とカンボジアに渡ってこられたとてもエネルギッシュでバイタリティー溢れる素敵な方です。現在は、AOUの活動を月に2回されており、また、民泊の場所を提供するお仕事、そして透析クリニックの経営に携わっていらっしゃいます。

お話をお聞きする中でカンボジアの人は診療所に行く習慣がないため、患者さんが診療所に来ず、それだけでは生計を立てることが難しいこと、そしてカンボジアでは薬剤師が日本の薬剤師が行っているような薬剤師としての職務を全うできる場がほとんどないということをお聞きしました。

2日目の午後は1日目にお会いした先生にカンボジアの薬局をいくつか案内していただきました。カンボジアの首都であるプノンペンにはメディカルストリートがあり20件以上の薬局が軒を連ねていました。薬局の棚には抗生物質がズラリと並べられていて処方箋なしで簡単に私たちの手に届く所に置いてありました。カンボジアでは何か病気にかかると、ほとんどの患者さんは病院ではなく薬局に向かい薬剤師から薬を購入しますが、薬剤師がとりあえずたくさんの抗生物質を出す習慣があり、薬剤の耐性を持ってしまっている患者さんが多いということを教えていただきました。そして小児の薬がないため、成人の容量でその抗生物質を子どもの頃から服用しているということもあるそうです。建物自体は非常に綺麗な清潔感のある機械や衛生面での設備もしっかりしていました。また日本の透析は週3回で1回4時間ですが、その先生がカンボジアで経営しているクリニックでは週2回1回4時間で透析をされているそうです。また、クリニックに来ることができる患者さんもカンボジアの平均収入より高い患者さんでないと金額の面で透析を受けることが難しいということもお聞きし、貧困の差で医療を受けることができない患者さんがたくさんいるという現実に胸が痛みました。

2日目を通して私たちは、カンボジアの医療はまだ医療としての基礎が成り立っていないという現状を目の当たりにしました。それはポルポト政権時代に何の罪もない医師などの医療に携わる知識人が虐殺されたため、しっかりとした教育制度が整っていないというカンボジアの歴史と現在のカンボジアの医療が深くかかわっていることを痛感しました。また、他の国の人がカンボジアの医療を変えたいと願っても、現地の人がそれを望まなければ変えていくことは非常に困難な問題であると感じました。そして現地の人の医療に対する意識を変えていく取り組みをどのように行っていくかが今後のカンボジアの医療を変えていくための課題ではないかと考えました。

山下華奈

『二日目午前、トゥールスレン博物館・キリングフィールド・ジャーナリストモニュメント訪問』

2日目はトゥールスレン博物館・キリングフィールド・ジャーナリストモニュメントへ見学に行きました。

「たとえ親でも社会の毒と思えば喜んで殺せ」by ポル•ポト

カンボジアには1975年~1979年の間に人口の1/3が虐殺されたという歴史があります。当時のトップであるポル・ポトが作りたかった国は“原始共産主義”というものであり、それは格差のない社会を目指したものでした。(知識は格差を作る。原始時代のようになればいい。)そして、知識人や反政府 “っぽい” 人々の全員の大虐殺が実行されました。その虐殺場が、現在のトゥールスレン博物館とキリングフィールドです。かつて学校だったこの場所は、悲鳴もNOも許されない地獄となりました。

「先人がいない。教育者がいない。子供が医者だった。」

この時代に本も教科書もすべて焼き払われました。当時治療を行っていたのは子供。手当の仕方をどっからともなく聞き、手術も行っていたそうです。ずさんな治療により命を落とした方も沢山いました。この時代がたった40年前。
私たちはカンボジアで高齢者をあまり見かけませんでした。というのも、ポル・ポト政権が終わってからの国民の85%が14歳以下だったとも言われているからです。
医療が発展していない、教育者がいない…それらはすべてポル・ポトの時代に直結していました。母国語の教科書があり、学びたい事が学べて、指導者がいる環境がいかに恵まれているのかを痛感しました。
私たちはその虐殺場の生々しい痕跡や理不尽に殺される恐怖、亡くなった方の顔やお骨、衣類を見て、言葉が出ませんでした。

私たちにできる事は、この事実を伝えることだと思い、生々しい写真を掲載いたします。どうか、届きますように。

立花京香


➂『三日目午前、SUN INTERNATIONAL CLINIC訪問』 

カンボジア初の日本人専門医による総合診療クリニックで、日本国内の海外旅行保険に対応しているクリニックににお邪魔させていただきました。
患者さんは約5割が日本人、約4割がカンボジア人、約1割が西洋人だそうで、受付は日本語、英語、クメール語、中国語に対応できる体制をとっていました。

私たちはまず、経営に携わっている方に案内と説明をしていただき、カンボジア人の小児科医の先生にお話を伺いました。
先生は世界一医療が発達していると言われているキューバで医学を学んだ先生で、カンボジアの医療の現状や問題点について親身になって教えてくださいました。
その後、診察室や検査室、手術室を見学させていただきました。手術室は副鼻腔炎や蓄膿症の手術に利用するとのことでした。

また、耳鼻科医師にお話を伺い、海外で働くための障害や、海外で働く際の薬剤師に対するニーズについて教えていただきました。
カンボジアで現場の声を聴くというとても貴重な経験でした。

青山裕子

『3日目午後International University(現地薬学生との交流)』

3日目の午後はカンボジアでも有数の医療系学部が揃うInternational University(以下IU)の薬学部へ向かいました。今回の訪問では、現地側の提案を受けて日本とカンボジア両国の薬学生生活を知るために互いのプレゼンテーションを行いました。当然プレゼンテーションには英語での準備が必要で、この日まで日本語を使う場面が多いIMT参加者は前日にホテルの一室で練習を行いました。

当初予定していたカンボジアの学生参加者は10名ほどであったのに対して、会議室に入ると約40名の学生たちが集まっており関心の高さに驚きました。IUのカリキュラムは5年制で62講義190単位があり、基礎教育のあと4年間の薬学教育、実習、研究室実習で構成されていました。2年生から病院実習など医療機関や国立施設での教育が豊富に整っており、課外活動として農村地域への薬品寄付やボランティア活動を行っているそうです。

また、薬剤師になるためには自大学の卒業試験合格後、National Exit Examという国家試験があり日本でいうCBTに近い100問からなるMultiple Choice QuestionsとOSCEの2つのセクションに分かれて行うそうです。卒業後は開業や大学院をめざす学生が多く日本で多く挙がるような就職例について多く質問が挙がりました。

プレゼンテーション終了後IUの学生たちと仲良くなった私たちは次の日に、現地イオンモールにて夕食をともに過ごしました。

“国の医療・薬学事情が違えば薬学生の将来像も違う。ただ、将来薬剤師を志す気持ちは同じ。”そのために夢に向かう姿勢は互いに分かち合えたようにも思えます。

小間貴洋

                         


『四日目午前・午後、JICA医療支援現場視察』

4日目は、JICAの医療支援現場を視察させていただきました。
午前には、シニア海外ボランティアとして活動されている方の案内のもと、国立輸血センター(National Blood Transfusion Center)を見学しました。

また、午後には青年海外協力隊として国立母子保健センタ―で活動されている方にもにお話をお聞きし、施設の見学をしました。

献血の受付では、文字の読み書きができない方にも考慮して、スタッフが対応したり、産後の入院では、昼食以外は家族が自宅からご飯をもってきたりと、日本との違いを感じました。また、道路の普及が追い付かずに、また、交通渋滞などで、救急車が機能しない現状や、自分の血液型や誕生日がわからない患者が多いことなど、私たちが想像していなかった点でのカンボジアならではの事情には驚かされました。

どちらの施設でも、周りが現地医療スタッフの中、日本人ボランティアとして活動されているお二人の周りは笑顔で溢れていて、カンボジアに昔からある風習を受け入れながらも現地の医療を改善するために独自の技術を取り入れ、努力されているお二人の姿は、とても輝いていました。

城間由奈

                         


『五日目午後、くっくま孤児院訪問』

現地の孤児院に入っている子供たちはみんな日本人の母によって、育てられています。 そのため、みなさんクメール語だけでなく、日本語も流暢に話せていました。子供たちのなかには小さい子から僕たちの年代の子まで幅広く孤児院にて生活しています。
ここでは、子供たちの自己紹介から始まりました。 みなさん日本語のマナーや敬語が身に付いていて驚きました。
さらにカンボジア伝統舞踊披露では、みんな生き生きとしていて、息もぴったりとしていたので、僕たちは息を飲むほど圧倒されました。
その後、私たちの子供たちへの教育セミナーを行いましたが、子供たちは薬という概念を知らなかったようです。
そこで、実際に薬を飴玉として例え、それを悪玉菌を退治すべく、天秤ゲームを使って薬のありがたみを理解してもらいました。このセミナーは大成功を収めました。その後、子供たちと交流しました。 みんな無邪気に僕たちを振り回し、楽しんでいました。生き生きとしている姿に、将来への光を感じました。
最後には、お見送りまでしてもらい、とても感動しました。

野田奨乃

『六日目、古都ウドンを巡る半日観光』

1~5日目までは医療関連機関を訪問しましたが、最終日はフリータイムでした。
1人は予め現地で活動している日本人の方にアポをとってお話をしたそうです。他の7人は現地でHISのオプショナルツアーを申し込み、「古都ウドンを巡る半日観光」班と「プノンペン半日観光」班に分かれて最終日を過ごしました。

「古都ウドンを巡る半日観光」班の私のスケジュールは
【チャンパ族の集落に立ち寄る⇒古都ウドンを巡る⇒王宮内を見学⇒トゥクトゥク(車)に乗ってホテルへ戻る】といった流れでした。
チャンパ族の集落では商店街のようなところを散策しました。
古都ウドン(Oudong)はアンコールワットに似た雰囲気の場所でした。山頂にある4本の歴代王仏塔を目指して長い階段を上る途中には宗教関係の建物、蓮の花を売ってお金を集める子供たち、ただただ言葉をつぶやきながら座っている老人に遭遇しました。カンボジアの歴史が知りたくなるカンボジアらしさが残っている場所でした。
王宮の正面には大きな国王の写真があり、国王が国民に愛されていることが一目で分かりました。王宮内には20もの立派な建物がありどれも日本では見たことのないもので圧倒されました。
王宮からホテルまでは念願のトゥクトゥク(カンボジア版タクシー)に乗って帰りました。車とは違って仕切りがないので風が気持ちよかったです。最後の山場は値段交渉!H.I.S.様の方からは「2ドルで帰れる」と聞いていましたがトゥクトゥクのお兄さんの粘り強さに根負けし、結局3ドル渡してしまいました。3ドル受け取った後のお兄さんの満面の笑顔が今でも忘れられません。いずれにせよ日本では経験できないイイ思い出となりました。

椿田裕子

『六日目、プノンペン半日観光』

プノンペン半日観光では、王宮、シルバーパゴダ(銀寺)、ワットプノン、独立記念塔、国立博物館を巡り、クメール料理(カンボジア料理)のランチ、トンレサップ川クルーズ、最後にセントラルマーケットでショッピングをしました。
プノンペンはカンボジアの首都であり、678㎢(東京都の面積のおおよそ3分の1)の小さな都市ですが、多くの歴史的・文化的な建造物が観光名所となっています。王宮や銀寺は、庭が広く、建物はきらびやかで細い部分まで特徴的な柄が刻まれていました。
その日本にはない建物に終始圧倒されていました。ランチ後のリバークルーズでは、高級ホテルが建つ場所から少し離れた川辺に、船で暮らす人々が生活をしている様子が見えました。痩せた子供がこちらに向かって元気よく手を振る場面もあり、なんとも言えない気持ちになりました。また、セントラルマーケットには昼下がりの暑い時間にもかかわらず、300程の店が営業をしていました。最後は観光客がよく使うトゥクトゥクという簡易タクシーにも乗り、カンボジアでの滞在を終えました。
医療のみでなく、歴史や文化、生活に触れることも必要であると再認識でき、そしてなにより観光を楽しむことができました。

 窪野亜紀

以下ツアー詳細

 

【日時】 2016年3月21日㈪~3月27日㈰

【定員】 7名

【場所】カンボジア プノンペン

【内容】
・孤児院にて教育活動
・病院、薬局訪問
SUN IMTERNATIONAL CLINIC
・現地の薬学生との交流
・JICA医療支援現場視察 (現在調整中)
・現地で働く薬剤師の方にお話を聞く
講師:青木 渉様

Act of Unity Japan設立者、薬剤師
・カンボジア文化見学

 

【共同開催者】株式会社エイチ・アイ・エス

参照
外務省: 世界の医療事情 カンボジア
カンボジアの旅行情報

【お問い合わせ】
international.medical.tour2016@gmail.com