#21「もし、子供の頃に予防接種を受けなかったらどうなるの?」

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皆さんこんにちは。
3月1日から7日は子供の予防接種週間です。
今回のコラムが、子供を感染症から守るという観点から、大学生が予防接種について考えるきっかけになれば嬉しいです。
(令和元年度子ども予防接種週間実施要綱:https://bit.ly/2TuWShv


[子供の予防接種について]
ワクチンは病気に対する免疫を高めることで感染症の発症を防ぎ、発症しても重症化しないようにする働きがあります。
ワクチンの基礎知識については以前掲載されたコラム、#18「感染予防と言えば予防接種!」をご覧ください。


さて、みなさんは子供の時に感染症の予防接種を受けましたか?
小さい頃に自分がどの予防接種を受けたかを確認する方法は、母子健康手帳の予防履歴や、地域によっては保健センターへ問い合わせるなどがあります。


[子供の時に受けておくべき予防接種]
ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、四種混合ワクチン(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)、BCG(結核)、MRワクチン(麻しん、風しん)、水痘ワクチン(みずぼうそう)、日本脳炎ワクチン(日本脳炎)、HPVワクチン(子宮頸がん)
(定期接種のワクチン:https://bit.ly/2vqfPdg

これらのワクチンは受けることが努力義務とされているもので、 “定期接種”と定められています。
接種すべき対象年齢や、接種回数、他の予防接種とどのくらいの期間を空けるべきなのか、細かい決まりがあります。
(定期予防接種一覧表https://bit.ly/2x0cJNf、予防接種スケジュール表:
https://bit.ly/2VENvON

また、定期接種とは別に、予防接種を受けるか、各自の判断に委ねられているものもあります。
これらを”任意接種”と言います。
この対象とされている感染症はロタウイルス、おたふくかぜ、インフルエンザなどがあります。
ただ、任意とは言ってもこれらの感染症は、重症化したり、重大な後遺症が残ったりする可能性は十分に考えられます。
軽視せず、積極的に予防接種を受けることが勧められています。


[なぜ子供の時に受けるべきなのか]
なぜ子供の頃に多様な種類のワクチンを頻繁に受ける必要があるのでしょうか。

ワクチンにも副作用はあり、絶対に安全であるとは言えません。
生後2,3か月の生まれて間もない赤ちゃんに多種多様なワクチンを受けさせることを親が拒むことも少なくないそうです。
実際、私の周りにも予防接種をほとんど受けてこなかったという友人がいました。

では、なぜ子供の時に予防接種を受けておくことが勧められているのか。
それは、乳幼児は免疫力がとても弱いために、感染症が発症したとき重症化したり、重大な後遺症を引き起こしたりする恐れがあるからです。
免疫機能の低い子供の時に予防接種を受けることで、ウイルス・細菌感染によって小さな命が失われてしまうことを防ぐことができます。
さらに、定期接種と定められている予防接種は子供ならば無料で受けられます。
子供を恐ろしい感染症から守るためには、保護者の積極的な行動が重要です。


[ワクチンを受けなかったら…]
もし、受けるべきワクチンを受けなかったらどうなるのでしょうか。

はしかなどの感染症は、発症しても単なる風邪と変わらない症状であるために軽く考えられてしまうことがあります。
しかし、受けておくべき時期にワクチンを受けなかったことが、重症化を招き、取り返しのつかない事態を引き起こすかもしれません。
実際に、副作用を心配してワクチンを受けなかったために、本当なら防げた病気によって小さな尊い命が失われてしまった事例もあります。
(「もし予防接種を受けなかったら…。」https://bit.ly/2IdPBx4

「あの時、予防接種を受けさせていれば…。」と後悔しても、命が戻ってくることはありません。
そのようなことが起きないよう、大切な命を守るために保護者は責任を持ってワクチンを受けさせましょう。


VPD(Vaccine Preventable Disease:ワクチンで防げる病気)から子供たちを守れるのは未来の親になる私たちです。
感染症に敏感となっている今、改めて予防接種の重要性を学び理解を深めていきましょう。

(東邦大学2年 小林幸恵)