皆さん、今年はインフルエンザにかからずに過ごせていますか?
毎年流行が話題となるインフルエンザ。他の予防接種と同様、お金がかかるから、打ってもどうせかかるから・・・と予防接種を受けずにいる方も多いのではないでしょうか。
そもそも、インフルエンザとは何か、なぜ毎年インフルエンザワクチンを受ける必要があるのか、これを機会に学んでみませんか。
・インフルエンザとは?普通の風邪とどこが違うの?
インフルエンザの主な症状は一般的な感冒(風邪)に見られるような喉の痛みや鼻水のほかに38℃以上の発熱、頭痛や関節痛、筋肉痛が現れます。また、5歳頃までの小児ではインフルエンザに伴ってインフルエンザ脳症と呼ばれる意識障害を主とする病気に発展したり、高齢者の方では肺炎につながったりと、重症化することがまれに見られます。
・インフルエンザワクチンの効果は?
インフルエンザの予防接種の効果については、様々な検討や研究が行われ、報告があげられていますが、概ね予防接種を受けることで50~60%程度予防できるとされています。また、発症を予防すると同時に脳症や肺炎などの重症化を防ぐことができます。実際に、今年私は予防接種を受けた上でA型インフルエンザを発症しました。しかし、主な症状は発熱のみで、関節痛や喉の痛みはありませんでした。
予防接種の効果は即効性のあるものではなく、受けてから免疫が確立するまで約2週間の期間を要します。従って、流行する前に予防接種を受けておく必要があるのです。
・予防接種に使われているワクチンは、毎年同じではない
よく耳にするA型、B型、C型はインフルエンザウィルスの種類です。その中で最も症状が重いといわれているものがA型です。また、A型インフルエンザウィルスは変異しやすいため、人の免疫が機能しにくくなったりワクチンが効果を示しにくくなったりして大流行の要因となります。
これに対応するため、毎年厚生労働省の指導の下で、そのシーズンに流行するインフルエンザウィルスを予測しています。そこで流行するとみなされたA型2種、B型2種のインフルエンザウィルス株を混合してワクチンは製造されています。インフルエンザウィルスは変異を続けるため、たとえ1度予防接種を受けていたとしてもその効果を発揮するとは限りません。このため、予防接種の効果は1シーズンといわれており、毎年インフルエンザの予防接種を受けることが推奨されています。
いかがでしたか?
予防接種の必要性やインフルエンザウィルスについて知らなかったこともあるかと思います。重症化を防ぐためにも、積極的な予防接種をおすすめします。
(城西国際大学薬学部5年 中島綾)
【参考】
●メディカルノート
https://medicalnote.jp/contents/180131-004-HZ
https://medicalnote.jp/diseases
●厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html