#22「世界結核デー2020/3/24」

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【2週間以上続く咳~これってもしかして結核?~3月24日は世界結核デー】

皆さん、こんにちは。
突然ですが、3月24日は何の日かご存知ですか?
インターネットで検索してみると、マネキン記念日や壇ノ浦の戦いが始まった日などがありますが…
今回のテーマは、3月24日「世界結核デー」です。

「世界結核デー」は、細菌学者ロベルト・コッホが結核菌を見つけた日(1882年3月24日)にちなんで、世界保健機関(WHO)が1997年に制定しました。
結核の約8割が、肺で菌が増殖して発症する肺結核です。初期症状は風邪のそれと似ていますが、肺結核はせき・痰・微熱が長期間(2週間以上)続くことが風邪と異なる点です。また、空気感染で他人に移る病気でもあります。2018年結核研究所疫学情報センターの調べによると、年々減少傾向にあるものの、2018年には日本で新たに15590人の感染が確認され、2204人の死者が出ています。このことから、人口10万人対の結核登録率で比較すると、日本は先進国の中でも患者数が多い国と言えます。

この結核ですが、かつては治療薬がない不治の病とされていました。
しかし現在では、2種類以上の抗結核薬(抗生物質の1種)を使用して治療が可能となりました。さらに、予防接種としてBCGワクチンを打つことで予防もできるようになったのです。
なお、結核の治療薬では、6~9ヵ月の長期間、医師の指示通りに薬を飲まなければなりません。これは、抗結核薬が抗生物質であるからです。抗生物質は服用を中断したり、医師の指示通りに飲まないなどすると、生き残った菌から耐性菌が生まれます。耐性菌が生まれると既存の薬が使えなくなってしまい、治療が難しくなってしまいます。
ですから、結核の治療で最も重要なこととは、しっかりと治療薬の用法・用量を守ることなのです。

結核は、未だに世界で流行している病気ですが、正しい知識があれば治せる病気であり、防げる病気です。
この記事をきっかけに結核に関してもっと知ってもらえれば幸いです。

2018年度九州支部長

【参考資料】
・公益財団法人 結核予防協会 結核研究所
https://www.jata.or.jp/index.php
・公益財団法人 結核予防協会
https://www.jatahq.org/
・公益財団法人 結核予防協会 結核研究所 疾病予防センタ
https://www.jata.or.jp/rit/ekigaku/

また、日本薬学生連盟では以下の記事でも結核・ワクチンに関して紹介しております。併せてご覧ください。

・結核に関してはこちら
(#10「結核予防週間2019/9/24~9/30」)
・ワクチンに関してはこちら
(#21「もし、子供の頃に予防接種を受けなかったらどうなるの?」)