#18「感染予防といえば、予防接種!」

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今年も昨年末からインフルエンザが流行しています。
私もつい先日インフルエンザをもらい、大学を欠席することになり大変な目に遭いました。
皆さん、毎年インフルエンザの予防接種は受けているでしょうか?
日本ではインフルエンザだけではなく、水疱瘡やおたふくなど様々な感染症に対して予防接種が採用されたことで、昔は命に関わるとして恐れられていた重篤な感染症も流行しなくなりました。
注射は痛いから、保険がきかなくて高いから、予約を取るのが面倒だから・・・ワクチンを接種しない理由は様々であると思いますが、今一度予防接種の大切さを考えてみませんか。

・予防接種の基礎知識
予防接種は予防接種法(厚生労働省)により対象となる感染症や予防接種を受ける努力義務、健康被害が生じた際の救済などについて明記されています。
この中で対象とされている疾病はA類疾病(ジフテリア、百日咳、ヒトパピローマウイルス感染症など)とB類疾病(インフルエンザ、肺炎球菌感染症など)に分けられており、前者は集団予防、重篤な疾患の流行を予防することを目的とするため各個人に努力義務が定められています。後者のB類疾病は個人的な予防を重点的に行うものとし、努力義務はありません。国立感染症研究所が示す各種予防接種の接種スケジュールには、出生時から100歳までいつ、どのタイミングで、どの予防接種を受けることが望ましいかが一覧になって示されています。自分に今必要な予防接種は何か、受け忘れているものはないか、確認してみることをお勧めします。

・予防接種の役割
予防接種を受けることで体内に抗体が産生され、疾病に対する免疫力を向上させます。それにより感染症にかかりにくくなったり、他人に感染させてしまうことを防ぐことができます。また、あらかじめその感染症に対する免疫機能を持っていれば、発病しても症状の重篤化を予防することができると言われています。

・副反応、健康被害への対応
予防接種に用いられるワクチンも、医薬品の1つです。普段皆さんが飲んだり塗ったりする医薬品と同様、人によっては副作用(副反応)が現れる場合があります。インフルエンザの予防接種を受けると、注射したところが腫れたり、かゆくなったり、痛かったりしたことはないですか?あれも副反応の1つです。
副反応は腫れや痛みのような軽度のもの以外にも、アナフィラキシーのような重篤な症状が現れることもあります。日本では、このようなワクチン接種後に生じた症状について報告を受け付けています。(副反応疑い報告制度)
また、万が一定期接種に含まれるワクチンによって健康被害が生じた場合には必要に応じて手当を支給する健康被害救済制度が設けられています。

・費用の負担
A類疾病、B類疾病を含む定期接種は法律に基づき市区町村が主体となって実施しています。そのため定期接種の費用は公費負担となり、公費でまかなわれているのです。公費負担の対象となる年齢や条件はそれぞれの予防接種や市区町村により異なるため、確認してから接種するとよいでしょう。

最後に、予防接種を受けたからといって完全に感染のリスクを0にすることはできません。しかし、症状の重篤化や障害・後遺症のリスクを減らすことは明らかです。新型コロナウイルスが流行する今、ワクチンの大切さが見直されています。あなた自身や身の回りの人の健康のため、定期的な予防接種を心がけてみませんか。

(城西国際大学薬学部5年 中島綾)

【参考】
●厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/index.html

 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000033079-att/2r985200000330hr_1.pdf

● 田辺三菱製薬
https://www.wakuchin.net/about/universal.html