行った人:帝京大学1年(当時) 瀧本早利奈さん
スケジュール(2020年2月17日~3月12日)
2/16 午後9時半の便に乗り成田国際空港を出発。
2/17 午前5時頃にカイロ国際空港に到着。現地の学生と合流。しばらく休憩したのち、カイロのダウンタウンを散策。午後5時頃からソハーグへ車で移動(約6時間)。
2/18 午後から現地の学生との交流会。
2/19 ソハーグ大学の学長や教授と歓談。EPSF-Sohagの活動(PD Club)を見学。研修先の病院(Al-Hayat International Hospital)を見学。
2/20,21 International weekend [ルクソール観光] (Al-Bahari Temple, Valley of the Kings, Karnak Templeを見学。市内の市場で買い物。)
2/22 休日。夕方からカフェでの交流会。
2/23 *薬局研修1日目。ナイル川でボートに乗りながら交流。
2/24 薬局研修2日目。近所のスーパーで買い物。
2/25 薬局研修3日目(手術見学)。カフェで交流。
2/26 薬局研修4日目。午後10時からカイロへ電車で移動(約7時間)。
2/27,28 International weekend [カイロ観光] (El-Azhar Mosque, Egyptian Museum, Qiza Plateauを見学。市内の市場で買い物。)
2/29 午前3時頃にソハーグに到着、昼過ぎまで休憩。夕方から現地の学生のお宅を訪問。
3/1 薬局研修5日目。宿泊施設内でカードゲームをして交流。
3/2 薬局研修6日目。カフェで交流。
3/3 薬局研修7日目。宿泊施設内で交流。
3/4 薬局研修8日目。夕方から現地の学生のお宅を訪問。
3/5 Sohag National Museumを見学。夕方からEPSF-Sohagの活動(14th General Assembly)を見学。
3/6 International day (異文化交流会。お互いの国の伝統の料理やお菓子を食べながら交流。)
3/7 Abydos Templeを見学。
3/8 Red/White Monasteryを見学。
3/9 薬局研修9日目。市内のモールで買い物。
3/10 薬局研修10日目。カフェで交流。
3/11 ソハーグ大学での講義見学を兼ねた実習体験。BBQをしながら交流。その後、‘3i Academy’で修了書を授与される。
3/12 午前3時頃からカイロへ電車で移動(約7時間)。カフェで交流。その後カイロ国際空港へ移動し、午後11時半の便に乗る。
3/13 午後8時頃に成田国際空港に到着。
*すべての研修はAl Hayat International Hospitalで行われた。基本的に研修時間は正午から午後5時まで。
感想
今回のエジプトでのWinter SEPでは、首都カイロから離れた所にある都市ソハーグに滞在しました。私が参加した時期はエジプト薬学生連盟ソハーグ支部への他の参加者がおらず、薬局研修も基本は現地の学生1人に付き添ってもらい、2人で参加しました。計7日間の薬局研修では、毎回現地の薬剤師の方と代表的な疾患やその治療法についてディスカッションを行いました。日本では英語で医療を学ぶ時間が少なかったこともあり、英語でのディスカッションをする中で何度もわからなくなることがありました。その中で私は積極的に翻訳アプリを活用しつつ、一緒に参加した学生に助けてもらいながら理解してゆきました。また、エジプトは薬の生産を他国に依存していることもあり、風邪薬1つを例に挙げてみた場合でも、日本ではあまり目にする機会のない種類の医薬品ばかりを扱っていて新鮮に感じました。さらには、臨床現場で活躍する薬剤師の姿をリアルタイムで見学でき、現地で求められる医療の形や薬剤師の役割とともに実態についても学ぶことが出来たと感じています。
加えて、毎週木・金曜日はエジプトの観光地を他国の留学生も含めて、現地の学生と共に訪れる機会がありました。これらの観光や市街での活動を通して、お互いの国の文化や歴史の話ができたのはもちろん、他の留学生との交流自体も本当に刺激的だったので楽しかったです。
ソハーグの宿泊施設では、現地の学生と2人で1つの部屋に滞在する形でした。エジプトで生活を送っていく中では、トイレットペーパーを使わない文化や、砂漠に囲まれた地形のため外で常に砂が舞っている環境の体験といった日々の中の小さなエピソードを経て、改めて日本の良さ・住みやすさにも気づきました。また、こういった経験は現地でしか味わえないものであり、なおかつ体力に余裕のある若い時期だからこそ乗り越えられたのかもしれないとも思いました。さらに、宿泊施設で提供されたり付近のお店で食べたりした現地の料理はどれも美味しく、個人的には日本人の味覚にとても近いなと感じました。
なにより、エジプトの人々は挨拶をする初対面の時から互いの距離が近く、彼らにとって「外国人」の立場である、日本人の私を優しく笑顔で迎えてくれる方がほとんどでした。現地の学生との交流を通し、数々の人柄の温かさに触れ、改めて知識の範疇を超えた「人と人とのつながり」が大切だということを強く感じました。帰国後の今でも、連絡を取り合うほど仲が深まった友人も多くおり、とても貴重で有意義な体験を出来たのだと日々実感しています。
次の参加者へのアドバイス
出発前はもちろん、現地に着いた後も英単語や簡単なフレーズの暗記といった英語の勉強は必要だと感じました。また、エジプトの薬学生は大学では全て英語を使って学んでいるため、現地の学生に日本の大学で現在自分が学んでいる教科や内容を英語で伝えられるとより良いと思います。特に、薬局研修の中では主に特定の疾患やOTC医薬品に関して薬理学的観点などからディスカッションする機会が多かったため、事前に体の仕組みや症状について英語で説明しているテキストや動画といったコンテンツを準備しておくと理解も深めやすいと思います。
またInternational dayの際はもちろん、他の時間も日本の文化や風習が話題にあがる機会は度々あるため、浴衣や日本のお菓子、和柄の小物といったお土産をできるだけ持参していくと喜ばれます。私の場合、日本の料理を振る舞う機会があったため、日本独自の食材やインスタント食品をもっと用意しておいても良かったと思いました。
そして、エジプトでの滞在中は、経験したことやその瞬間に感じたことをその都度記録することをぜひ勧めたいです。写真や動画、SNSへの投稿、メモアプリの利用など何かしら自分の留学生活を記録する手段を持っておくと、帰国後も振り返ることができ滞在中の過ごし方も変わってくると思います。
最後に、留学というのは多くのお金や時間がかかる上、周りの人々の協力がなければできないものだと思います。だから、もし今留学できる環境が整っているならばぜひ海外への一歩を踏み出して欲しいです。